作り手の想いに触れ、調味料選びの基準が定まりました。
荒木 文代さん
調味料は私たちにとって非常に重要なアイテムであり、料理の影の主役です。
しかしながら、かつての私はそんな風には考えていませんでした。調味料は料理における補助的なアイテムという認識しかなく、有名メーカー製であるか、値段がお手頃であるかといった、非常に表面的な基準で選んでいました。
5年程前から独学で食と健康について学び始め、その中で各種調味料のことも自分なりに勉強していました。それなりの選定基準は持っているつもりでしたが、今ひとつ自信が持てず、もっと深く調味料のことを勉強したいという想いからこの講座を受講しました。
受講してまず感動したのは、それぞれの調味料の歴史が学べる点です。これは学校の授業でも取り上げてもらいたいくらいの内容でした。特に戦中、戦後の激動の時代において、伝統的製法の調味料を守った先人たちの苦労を知れたことは、私にとって大きな財産となりました。このような背景を知れば知るほど、調味料の製法やそこに込められた作り手の深い想いをもっと知りたいと思うようになり、今度の調味料選びにおいては、それらを重要な選定基準のひとつにしようという考えに至りました。
食の安全を意識する人の多くは、その原材料や添加物ばかりに気を取られがちです。もちろん、それらも重要事項ではあるのですが、歴史的背景を知ると、なぜ醤油には脱脂加工大豆が使われるようになったのか、なぜ沢山の添加物を使ったものが作られるようになったのかなど、深く考えられるようになり、調味料に対して俯瞰的かつ多面的な見方が出来るようになりました。
本講座の監修者である下倉先生は、ご自身の足で多くの製造業者さんを見学されていて、そのお話には非常に説得力があります。そんなところもこの講座の魅力のひとつだと思いました。